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ソリテュード<孤独>シリーズ
『ぐるぐる‐countless traces‐』
さくらの森 編
(氏田敦『入院メモ』より)
チラシ・HP写真:佐々木思郎
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ぐるぐる、てくてく。
よりみち、まわりみちして、歩いてく。
入院と手術を機に声の不調に苦しみ、見えざる“死”と対峙する俳優が、今まで演じたキャラクターと共に闘い、無事に本番を迎えるまでを、チェーホフや聖書、また尾崎放哉、小林一茶の俳句などの引用と共に上演。
演じること、生きることの本質を、多様な発話によって表現する。
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日時
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2022年9月18日(日)15:30 開演
19日(月・祝)14:30開演
(開場は20分前、上演予定時間40分)
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会場
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会場 枚方市立楠葉生涯学習市民センター
(050−7102−3131) 二階大集会室
〒573-1118 大阪府枚方市楠葉並木2丁目29−5
<アクセス> 京阪樟葉駅から東へ800m:徒歩約10分
京阪バス あさひバス停 徒歩約2分
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料金
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一般前売 2000円 当日2500円
大学生1500円 中高生500円
小学生以下、無料(保護者同伴が必要)
劇団応援チケット5000円
※ 劇団応援チケットとは、一般料金との差額で劇団を支援するチケットです
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“思いもよらないことがいつ誰にでも起きる”
劇団の稽古場のようなところで、俳優が一人座っている。開演時刻になったのか“前説”を始め、急にチェーホフ「ワーニャ伯父さん」のセレブリャコフを演じたり、かと思うと入院中の苦労話を観客相手につらつらと話し始める。彼は話しながら、演じながら歩き回る。ぐるぐる、ぐるぐる・・・と。
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さくら
の森
編
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『ぐるぐる―countless traces?』は、4幕8場面あります。そのうち前半の2幕を、‘さくらの森編‘として上演します。
入院の顛末を語りながらも、チェーホフ戯曲の登場人物(『タバコの害について』のニューヒン、『桜の園』のフィールス、『熊』のスミルノーフなど)を演じ始め、次第に元気になっていくさまを描きます。 |
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“剤の効き目か? 効くならばしっかり効け。”
入院と手術を機に声の不調に苦しんだ俳優。
現在は劇場で、チェーホフの短編「煙草の害について」をモチーフに描いた戯曲を上演中。見えざる“死”と対峙しつつ、今まで演じたキャラクターと対話し、無事に本番を迎えるまでが描かれた、ドキュメンタリーに見せかけたオートフィクション形式の物語。
妻がおり、姉が一人いて、その息子、つまり甥と土地を巡って若干の係争中。娘が離れた所に住んでいるが疎遠ではなく、入院していた時には見舞いに来てくれ、そこまで孤独なわけではない。
尾崎放哉、小林一茶の俳句などをよく引用し、聖書にも造詣が深い。今までシェイクスピアを始め、チェーホフやブレヒトなど多彩な役を多様な発話で演じてきた。「桜の森の櫻守り」という現在上演中の戯曲作者が書いた絵本の読み聞かせを児童館などでやっている。
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氏田敦(シダアツシ) 劇団冬芽舎〈休止中〉代表・俳優
京都市生。劇団京都小劇場を振り出しに活動開始。劇団カオスを経て冬芽舎へ 。劇団の中心俳優として京都を拠点に関西の舞台で活躍。一方で冬芽舎俳優教室(1 〜 16期)指導。放送芸術学院・大阪アニメーションスクール専門学校の講師('95 〜'16)など後進の育成指導にも尽力。劇団活動休止後は独り他劇団への出演を続け現在に。
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作・演出より
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“思いもよらないことがいつ誰にでも起きる”
実は“死”について扱っています。でも、そんな大それた感じじゃなく、よくある「死を受け入れる」とか「みんな最後は死ぬんだから」っていう諦めとは違う、生き方・もがき方をこそ、描きたいのです。
“死”っていうのはやはり不合理です。「永遠に生きたって飽きちゃうよ」みたいなのって、ただの強がりだと思うんですよね。演劇作ってて「もっといい作品を創りたい!!」って強く思います。え?こんだけしか時間ないの?嘘でしょ!おかしいよ、そう感じます。「あとはもう死ぬだけだから・・・」と言って何か新しいことを始めたり、新しいことを知らないでいようとする人がいたら「それは違うでしょう」と言いたい。
だからと言って、それが前面に出ているわけじゃないのが、この作品の面白いところです。映像と違い演劇では、カメラではなく観客の眼が舞台上のどこを見るかのフレームを決定します。各人の“カット割り”によって、受け取り方が無限に広がっていきます。クスッと笑える場面から、しょうもないダジャレまで、観客の皆様お一人お一人の頭の中に映し出されたものがこの作品です。
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スタッフ
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舞台監督:渡川知彦
照 明:廣瀬良二
音 響:木塚國人(Deja Pon)
舞台美術:A.Shida × T.M.
衣 装:Naomi M.
主催・制作:YOU-PROJECT
協力 枚方演劇連盟
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YOU-PROJECT
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2000年設立。「そこに在る演劇」という信念のもと、演劇が、どこか遠い場所の無関係な営みではなく、日常と繋がることで、新たな視点を獲得する作品づくりを目指す。旗揚げ公演『ハーフ』は、座付作家クスキユウにより書き下ろされ、2006年に再演。2012年には小説化された(文芸社刊)。
『ジュリエット-Juliet Capulet-』、『ワーニャ伯父さん!』など名作古典劇の再構成も手掛ける演出の松浦友は、2004、2005年と演出者協会主催若手演出家コンクール二次審査選出。2013年『橋の上の男』でギィフォワシイコンクールヤマキ賞受賞。2019年利賀演劇人コンクール第一次上演審査で、『温室の前』(岸田國士・作)が「作品の世界を最も的確に表現している」と評される。
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